外国人技能実習

外国人雇用をしている企業の方が受けられる可能性のある助成金の種類について

多種多様な助成金制度について

多種多様な助成金制度の中で外国人を雇用する際に知っておくべき助成金をご紹介します。
これらは全て、外国人雇用の為にできた制度ではありませんが、うまく活用することで実質的に外国人材雇用の運営体制を盤石なものにする支援を受けられる可能性があります。

① 雇用調整助成金

雇用調整助成金とは、景気悪化による事業活動の縮小に際し、すぐに人員整理に走ることを防ぐための制度です。休業、教育訓練、出向を通じて雇用維持を図ることで、企業活力の維持と、広くは雇用不安の解消を目的としています。

必要要件
「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由」により、「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、その雇用する対象労働者の雇用の維持を図るために、「労使間の協定」に基づき「雇用調整(休業・教育訓練・出向)」を実施する事業主が支給対象となります。
また、雇用保険適用事業主であることも求められます。労働保険料を滞納している場合にはもちろん不支給となりますのでご注意ください。

助成額(1日当たり)
(1) 休業の場合:中小企業の場合 賃金相当額×2/3(上限は8205円)
    中小企業以外 賃金相当額×1/2(上限は8205円)
(2) 教育訓練の場合:(1)の額+一人一日あたり1200円
(3) 出向の場合:(1)と同様

② キャリアアップ助成金

非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを推進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。

必要要件
改善事項によって全7つのコースが存在していて、それぞれ必要要件は異なります。基本的に、従業員の待遇を改善する際にはいずれかに該当する可能性があります。

助成額
38000円~720000円までコースと対象者毎に支給額の幅があります。

キャリアアップ助成金の種類

  • 正社員化支援
    正社員化コース、障がい者正社員化コース
  • 処遇改善支援
    賃金規定等改定コース、賃金規定等共通化コース、賞与・退職金制度導入コース、短時間労働者労働時間延長コース

③ 業務改善助成金

業務改善助成金とは、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた中小企業・小規模事業者が、生産性向上のために設備投資を行った場合、その費用の一部を国からの助成金で賄える制度です。

必要要件

  1. 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる計画を立てること(就業規則に規定等)
  2. 賃金引上計画に基づき賃金を支払うこと
  3. 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
  4. 解雇等の不交付事由がないこと

助成額
助成金の額は以下の式で求められます。ただし、条件ごとに上限が規定されているので気をつけてください。

コース区分 引き上げ額 引き上げる
労働者数
助成上限額
25円コース 25円以上 1人 25万円
2~3人 40万円
4~6人 60万円
7人以上 80万円
30円コース 30円以上 1人 30万円
2~3人 50万円
4~6人 70万円
7人以上 100万円
60円コース 60円以上 1人 60万円
2~3人 90万円
4~6人 150万円
7人以上 230万円
90円コース 90円以上 1人 90万円
2~3人 150万円
4~6人 270万円
7人以上 450万円
助成対象事業場 助成率

以下の2つの要件を
満たす事業場

事業場内最低賃金と地域別最低賃金の
差額が30円以内

事業場規模100人以下

事業場内最低賃金
850万円未満
4/5
生産要件を満たした場合は
9/10

事業場内最低賃金
850万円未満
4/5
生産要件を満たした場合は
9/10

事業場内最低賃金
850万円以上
3/4
生産要件を満たした場合は
4/5

④ 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

外国人社員の職場定着のために外国人特有の事情に配慮した職場環境に整備を行った事業主に対して、その経費の一部を助成する制度です。
職場環境の整備としては、下記が挙げられています。

  1. 通訳費
  2. 翻訳機器導入費
  3. 翻訳料
  4. 弁護士、社労士等への委託料
  5. 多言語標識類の設置・改修費

必要要件
必須メニューA,Bと選択メニュー1~3の内、どれか1つに取り組んでいる必要があります。

  • 必須メニュー
    A 雇用労務責任者の選任
    雇用労務責任者を事業所ごとに選任し、全ての外国人労働者と3か月間ごとに1回以上の面談(テレビ電話による面談を含む)を行う。
    B 就業規則等の社内規定の多言語化
    「就業規則等の社内規定」の全てを多言語化し、計画期間中に雇用する全ての外国人労働者に周知する。
  • 選択メニュー
    1. 苦情・相談体制の整備
      全ての外国人労働者の母国語または当該外国人労働者が使用するその他の言語により、苦情または相談に応じるための体制を新たに定め、苦情・相談に応じる。
    2. 一時帰国のための休暇制度
      全ての外国人労働者が一時帰国を希望した場合に必要な有給休暇を取得できる制度を新たに定め、1年間に1回以上の連続した5日以上の有給休暇が取得できること。
    3. 社内マニュアル・標識類等の多言語化
      「社内マニュアルや標識類等」を多言語化し、計画期間中に雇用する全ての外国人労働者に周知する。

助成額
金額は、支給対象経費の2/3(上限72万円)ないし1/2(上限57万円)とされています。
*生産性要件クリアの有無により分類。
*上記ほかに、離職率要件に係る目標達成の要件あり。

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