日本人口の推移並びに労働人口の減少
日本の労働人口の推移とその背景
日本の労働人口は少子高齢化の影響を受け、長年にわたり減少傾向にあります。以下は、日本の労働人口の推移とその背景についての概要です。
- 労働人口の減少
- 日本の労働人口(15歳から64歳までの働く年齢層)は1990年代から徐々に減少し始め、2000年代に入り減少傾向が顕著になりました。これは少子高齢化によって若年層の人口が減り、高齢者の割合が増加しているためです。
- 総務省のデータによると、日本の労働人口は1995年には約8,700万人に達しましたが、その後は減少し、2010年代には8,000万人を下回りました。
- 2020年には、労働人口は約6,700万人となり、今後も減少が予測されています。
- 労働参加率の推移
- 労働参加率(労働力人口の全人口に占める割合)は、女性や高齢者の就業率向上によって一時的に改善されています。政府の働き方改革や高齢者雇用促進政策により、65歳以上の高齢者や女性が働くケースが増加しているためです。
- 特に女性の労働参加が進んでおり、2020年には女性の労働参加率が70%を超えました。男性の労働参加率も高水準を維持しており、日本全体の労働参加率はやや回復しています。
- 高齢化の影響
- 日本では総人口に占める65歳以上の割合が増加しており、2023年には約29%を超えました。このため、労働人口の減少が日本経済に大きな影響を及ぼしています。
- 高齢者の労働力活用が進む一方で、高齢化が進行するにつれ、労働人口の維持がさらに困難になると見られています。
- 外国人労働者の増加
- 労働人口の減少を補うために、日本では外国人労働者の受け入れを増加させています。特に2019年からの「特定技能ビザ」制度の導入により、建設業、介護、農業などの業種で外国人労働者が増加しています。
- 2022年時点では、日本国内の外国人労働者数は約172万人に達しており、今後もこの数は増加する見通しです。
- 将来予測
- 政府の推計によれば、少子高齢化が進むことで、2030年までには労働人口は6,000万人を下回る可能性があるとされています。
- 労働人口の減少は日本の経済成長にマイナスの影響を与えるため、政府は外国人労働者の受け入れや、高齢者・女性の労働参加を促進する政策を積極的に推進しています。
労働人口減少への対策
日本政府は、労働人口の減少に対応するために以下のような対策を取っています。
- 高齢者雇用の促進:高齢者が働き続けやすい環境整備を進め、定年後の再雇用やシニア向けの雇用創出を支援
- 女性の就業支援:育児支援や働き方改革を通じて、女性の職場復帰やキャリアアップを支援
- 外国人労働者の受け入れ:労働力不足を補うため、特定技能ビザの導入などで外国人労働者を増加
- デジタル化・自動化:ロボットやAIの導入により、労働力の不足を補うと同時に、労働生産性を高める試みが進行中
日本の労働人口の減少と対策は、日本経済の持続可能性を考える上で重要な課題となっています。