外国人技能実習

円安と低賃金と外国人労働者

最近日本では、記録的な円安が続いています。円相場は1ドル=140円台となり、輸入品の値上げラッシュにつながっております。今から約4年前の2018年の平均が110円程度ですので、4年間で為替レートは30円の円安が進行したということになります。

少子高齢化が進み、工場や農家、介護施設の運営により多くの人手を必要としている日本にとって懸念すべき兆候です。

これまで移民の割合を低く抑えてきた日本政府はここ数年、人口減少を補うため外国人労働者の受け入れを徐々に拡大してきました。外国人労働者数は2019年に約170万人と、わずか10年余りで3倍に増えています。

しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、外国人労働者数は横ばいで、入国制限が緩和されたものの今後さらなる増加に転じるかどうか不透明な情勢となっています。

日本の低賃金もまた、外国人労働者への影響を及ぼしております。

世界各国で労働者の賃金が右肩上がりで増える中、日本の賃金は低水準に抑えられています。食品などの相次ぐ値上げなどを背景に2022年度の都道府県の最低賃金改定額は、引き上げ幅が30~33円と全国で過去最大を記録。22道県で国の目安を上回り、全国平均は961円に引き上げられました。

そんな日本ですが、世界経済フォーラムによると、全国平均時給は961円なのに対しルクセンブルク約2353円、オーストラリア約2009円、ドイツ約1759円、イギリス約1610円、アメリカは約2220円と、一桁違うのです。日本から海外に出稼ぎに行く人が増え、日本で働きたい「外国人労働者」は減ってきました。

近年、日本の労働者の低賃金が問題視されていますが、外国人技能実習生も例外でありません。もし、外国人技能実習生を「低廉な労働力」などと考えている経営者がいたとしたら大きな間違いであり、このまま賃金が停滞し続けるようだと、外国人技能実習生にそっぽを向かれる可能性もあるわけです。日本の企業は「働きたくなる会社づくり」にため、賃金の引上げとそれに見合う生産性の向上、そして、労働環境の整備に本気で取り組むべき時が来たのだと思います。

円安と低賃金と外国人労働者 はコメントを受け付けていません