外国人技能実習

技能実習制度における問題点

外国人技能実習制度の問題点

近年、外国人技能実習制度において様々な問題が多発しています。
日本で技術を学び、お金を稼いで帰国することを夢見ていたのに、期待とは違う厳しい現実に苦しむ実習生が増えているのです。

  1. 低賃金・残業代未払い・長時間労働
    外国人技能実習制度における問題点として、指摘されることが多いのが「賃金」と「労働時間」です。
    団体監理型の技能実習生の場合、2ヶ月間の講習が終了すると、受入先に雇用される労働者となるので、日本の労働関係法令が適用されます。
    そのため技能実習制度においても、賃金は最低賃金以上、労働時間も原則として1日8時間、週40時間までとなっています。時間外労働や深夜勤務、休日勤務にはもちろん割増賃金が支払われなければいけません。
    ところが実際にはこれらが守られない事態が頻発しており、実習先によるタイムカードや勤務記録の改ざんという、悪質なケースも報告されています。
  2. 暴行やセクハラ
    実習生に対しては暴行や脅迫、セクハラ、旅券や在留カードを取り上げるといった人権侵害も相次いでいます。
    たとえば「日本語がわからず、上司に殴られた」「社長に呼び出され、お尻を触られた」「パスポートと通帳を取り上げられた」といったものがあります。
  3. 実習生の犯罪・失踪
    凶悪犯罪に関わってしまうケースもあります。
    3年前の2020年、技能実習生として来日したベトナム人男性が実習先から逃げ出し、特殊詐欺グループに関わり、詐欺未遂罪などに問われ、2023年6月にさいたま地裁で有罪判決を受けた事件がありました。
    ただ全体でみると刑法犯での検挙件数のうち、圧倒的に多いのは窃盗です。これには低賃金など、実習生が経済的に困窮しているという背景があると推測されます。
    一方で実習生の失踪も相次いでいます。
    実習生への聞き取り調査によると、失踪した動機については「低賃金」がもっとも多い67%。また「指導の厳しさ」や「暴力」との回答も合わせて17%程度あることから、待遇の悪さや劣悪な労働環境が、実習生の失踪につながっていることがわかります。

中には法律をしっかりと守り、待遇の良い実習先もあります。ですが劣悪な環境のところも、まだまだ多いのが現状なのです。

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