外国人技能実習

特定技能12分野(14業種)について(前編)

特定技能とは

特定技能制度とは、日本国内で不足している労働力をアジア圏の外国人の就労によって確保するために2018年12月の臨時国会で定められた外国人の在留制度です。 制定により2019年4月1日以降、深刻な人手不足に窮している産業分野では、即戦力となる新たな外国人材の受け入れができるようになりました。

特定技能の指定分野には12分野あり、単純労働をはじめとした幅広い業務に従事できます。ただし、分野ごとに従事できる職種が決まっているため、介護の在留資格を持っていても同じ特定技能である建設の業務に従事するということはできません。
また特定技能には、相当程度の知識や経験を持つ外国人が対象となる「特定技能1号」と、熟練した技能や専門的な知識を持つ外国人が対象の「特定技能2号」があります。特定技能2号に該当する外国人は在留資格の期限がなく、家族の帯同も可能です。

これまで、特定技能1号では12の特定産業分野が対象となっていたのに対して、特定技能2号は「建設」「造船・舶用工業分野の溶接区分」のみが対象でした。しかし、2023年6月9日に介護分野を除く11の分野が特定技能2号の対象となることが閣議決定されました。この決定により、今後は「建設」「造船・舶用工業分野の溶接区分」の分野以外でも特定技能1号の在留資格を持つ外国人労働者の2号への移行が可能になります。

※介護には、すでに1号からの移行先となり得る専門的かつ技術的な分野の在留資格として「介護」があるため、今回の2号対象分野には追加されていません。

ここからは特定技能に該当する12分野の分野・業種について解説します。

  1. 介護
    介護分野での主たる業務活動は、介護施設での入浴、食事、排泄などの介助、レクリエーション等に不随する支援業務の実施などがあります。
    特定技能では夜勤は可能ですが、訪問介護のサービスは対象としていません。

    外国人が特定技能制度を用いて介護職につくには、事前に介護技能評価試験や介護日本語評価試験などの試験に合格する必要があります。

  2. 外食業
    外食業では、料理店・食堂などでの飲食物調理や接客、店舗管理などの業務を行います。
    外食業で受け入れが可能なのは、料理店や食堂の他、喫茶店やファストフード店、宅配専門店、仕出し料理店などです。

    なお、調理や接客を行わない場合やレストランでの皿洗いや床掃除のみ、飲食店以外の仕事をする宅配専門店で宅配だけするなどは対象外となっています。

  3. 宿泊
    宿泊では、ホテルや旅館といった宿泊施設にてフロントをはじめとした接客業務、企画や広報、レストランサービスなどの業務を行います。

    また、宿泊の関連業務の範囲であれば掃除や配膳、ベッドメイキング、宿泊施設内の売店における販売なども対応可能業務に含まれます。これらは、あくまでも関連業務の場合に可能とされており、メイン業務としての従事はできませんので注意する必要があります。

  4. 飲食料品製造業
    飲食料品製造業は、加工食品や酒類を除いた飲食料品などを製造する産業ですが、製造業の中でも事業所数・従事者数が最も多い業種となっています。
    ダイエットの普及や健康食品の需要の増加など、以前とは経済社会が変化していく現状ですが、食料品製造業は安全性への信頼からも国内需要が非常に高まっています。

    受け入れ企業は日本標準産業分類のうち、「食料品製造業」や「清涼飲料製造業」に該当しなければならないため、注意が必要です。

  5. 自動車整備
    自動車整備では、中心業務として認められている自動車の日常点検整備や定期点検整備などの業務を行います。また、それにともなう電子制御装置の整備・板金塗装などの業務も行えます。

    外国人の人材に求められる水準は、自動車の定期点検整備や分解整備を一人で適切に行うことができるスキルとなっており、3級自動車整備士と同程度の水準ともいわれているようです。

  6. 航空
    航空は、地上走行支援業務や手荷物・貨物取扱業務等を行う「空港グランドハンドリング」、エンジンオイルの確認などの機体・装備品等の整備業務等を行う「航空機整備」の二つに分かれて業務を行います。
特定技能12分野(14業種)について(前編) はコメントを受け付けていません