特定技能12分野(14業種)について(後編)
特定技能に該当する12分野のうち前回の残りの6分野の分野・業種について解説します。
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7.農業
農業では、施設園芸、畑作・野菜、果樹等を含む「耕種農業全般」や養鶏、養豚、酪農等を含む「畜産農業全般」の業務を行います。
主な業務内容は、耕種農業における栽培管理や農産物の選別・集出荷、畜産農業における飼養管理や畜産物の選別・集出荷です。また、関連業務として農畜産物を原料・材料の一部として使用するための製造や加工作業、農畜産物の運搬や陳列、販売作業、除雪作業などにも従事することが可能です。 -
8.ビルクリーニング
ビルクリーニングとは、住宅を除いたさまざまな建物の内部を清掃する業務のことです。清掃場所や清掃部位、汚れの種類などに応じた適切な清掃方法や洗剤に関する知識は求められます。
関連業務には、ベッドメイキングを含む客室整備作業や資機材倉庫の整備作業が該当しているため、これらの業務を行うことも可能です。ただし、メイン業務としての従事はできませんので注意する必要があります。またビルクリーニングでは他業種と異なり、高齢者の雇用を推進しているところが特徴です。
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9.素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業は、もともと3つに分類されていましたがどの分野にも関連性があることから2022年に統合されました。いずれの分野・業種も日本経済にとって欠かせず需要が高い一方で、人手不足が続いています。
素形材産業とは、金属などの素材から形を作り出し、それを組立産業に供給する産業のことです。携わる業務は、鋳物や塗装、仕上げ、電気機器組み立て、溶接、機械検査、鍛造、ダイカスト、工業板金、機械保全、プラスチック成形、機械加工、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、金属プレス加工となっています。
産業機械製造業は、素形材産業と同様、需要が多い現実に対して人手不足が続いている産業のひとつです。鋳物や塗装、仕上げ、電気機器組み立て、溶接、鉄鋼、鍛造、鉄工、プリント配線板製造、工業包装、ダイカスト、工業板金、機械保全、プラスチック成形、機械加工、めっき、金属プレス加工が対象となっています。
上記の業務以外でも、関連する業務として日本人が従事している業務に携わることも可能となっています。電気電子情報関連製造業は、現代の日本経済にとって必要不可欠な産業となっておりインフラ整備や幅広い生産財を供給する、いわば日本の製造業の根幹を担っている業種といえます。
対象となる業務は13種あり、機械加工、仕上げ、プリント配線板製造、工業包装・金属プレス加工・機械保全、プラスチック成形・工場板金・電子機器組み立て、塗装・めっき・溶接の業務区分が定められています。
また、上記に該当する中で日本人が普段従事している関連業務にも、外国人労働者が従事することも可能となっています。予想される関連業務は、原材料や部品の調達・搬送作業や各職種の前後における工程作業などです。 -
10.建設
建設は、「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つの業務に分けられているのが特徴です。いずれの業務においても、指導者の指示や監督を受けつつ作業を行います。
土木業務は、土木施設の新設や維持、修繕を目的としたコンクリート圧送やとび職、建設機械施工などが該当します。建築業務に該当するのは、マンションや戸建て住宅の新築や改築、修繕などを目的とした建築大工や左官、内装仕上げなどです。
そしてライフライン・設備には、ガスや水道、電気通信といったライフラインや、重要設備の設置・変更・修理などを行うための配管業務や電気工事が該当します。 -
11.造船・舶用工業
造船・舶用工業は、溶接、塗装、仕上げ、鉄工、機械加工、電子機器組み立て
以上の6つが主な職種となっており、特定技能外国人を従事させることが可能となっております。なお造船・舶用工業の特定技能資格を得るには、日本語試験以外に各業務区分の造船・舶用工業分野特定技能1号試験への合格が必要です。
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12.漁業
漁業で行われる業務は、漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保を行う「漁業」と、養殖資材の制作・補修・管理、養殖業水産動植物の育成管理、養殖業水産動植物の収穫・処理、安全衛生の確保を行う「養殖業」の2種類があります。
国内のさまざまな分野・業種において発生している人手不足を背景に特定技能を有する外国人労働者の需要は今後も高まると考えられます。特定技能を取得している外国人労働者は従事できる業務が幅広いことから企業にとって大きな戦力となり得るでしょう。